ひとり親家庭が知っておきたい体験格差の乗り越え方|子どもの「やってみたい」を諦めない!
長期休み明け、学校で友達が楽しそうに話す旅行や習い事の思い出。それを聞くわが子の姿に、「うちは近場ばかりでかわいそうかな……」と胸を痛めたことはありませんか?
いま、家庭の経済状況や親の忙しさによって、子どもの校外活動に差が出る「体験格差」が大きな社会課題となっています。
体験の不足は、単なる思い出の数だけでなく、子どもの自己肯定感や学習意欲にも影響すると言われているため、不安を感じる親御さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、体験格差の現状をまとめたうえで解決策を提案します。

体験の価値はかけた金額ではなく、どれだけ心が動いたかで決まります。
「自分ひとりでがんばらなきゃ!!」という重荷を少し下ろして、お子さまと一緒に新しいワクワクを見つけるためのヒントを探してみましょう!
体験格差の定義と現状
まずは体験格差の定義と現状から確認していきましょう。
体験格差とは
体験格差とは、家庭の経済状況や住んでいる地域、親の時間の余裕などの違いによって、子どもが学校の外で経験できる習い事・旅行などの量や質に差がついてしまう社会課題のことです。特に夏休みなどの長期休みには、その差がはっきりと形になって現れます。
- 塾・水泳・ピアノなどの習い事ができない
- 演劇や音楽、美術など文化的なものに触れる機会が少ない
- 旅行に行けない
体験が重要視されるのは、楽しい思い出ができるからという単純な理由ではありません。
「自分で決めて取り組んだ」「最後までやり遂げた」という感覚を得ることで自己肯定感が育ったり、何かに夢中になる経験を通して主体性が身についたりすることもわかっています。また、体験活動は、学習意欲や非認知能力の発達にも良い影響があると言われています。
ちなみに非認知能力とは、テストで測れないやり抜く力や折れない心のこと。これらは将来の年収や幸福度にも直結する一生モノの財産になります。
子どもにどんなことを体験させたらよいのかについては以下の記事をご覧ください。

体験格差の原因
体験格差の原因にはおもに以下のようなことが考えられます。
- 経済的要因:日々の生活費を優先せざるを得ない場合、体験へ充てる支出が後回しになる
- 時間的要因:子どもをイベントや遠方に連れて行く体力的・時間的な余裕がない
- 情報的要因:情報交換できる親同士のつながりが少ないと、質の高い無料イベントや助成金などの情報を得にくい
- 心理的・意欲的要因:親が幼少期に多様な体験をしていない場合、その重要性を実感しにくく、子どもへの優先順位が下がってしまう
体験格差は「経済・時間・情報・心理」という4つの不足が連鎖して起こっています。
体験格差が子どもに及ぼす影響については以下の記事をご覧ください。

体験格差の現状
ある調査では、世帯年収300万円未満の子どもの約3人に1人が、1年間に1度も体験活動ができていないというデータも出ています。
また別の調査では、以下のようなデータもあります。
- ひとり親家庭の65.3%が、経済的理由で「子どもがやってみたいと思う体験を諦めた」
- ひとり親家庭の89.5%が、何らかの理由(経済的理由含む)で「子どもがやってみたいと思う体験を諦めた」
低所得層やひとり親家庭にとっては子どもの体験を維持するハードルが高くなっているのがわかります。

長期休み明けには、子ども達が友達からおみやげをもらうことが多く、私も体験格差を感じています。
我が家は出かけたとしても近場。それはそれで楽しんでいるのですが、やはりちょっとかわいそうかな…と思ってしまいます。
参考:
認定NPO法人フローレンス「体験格差をなくすためにできること。こどもの「やってみたい」を叶えるために、皆さんの力を貸してください」
公益財団法人ボーイスカウト日本連盟ファンドレイジング委員会「ボーイスカウト・ひとり親等家庭における体験格差白書2025」
【体験格差の解決策①】経済の格差を抑える制度・サービスを活用しよう
経済的な不安を減らし、子どもに多様な経験をさせてあげるための窓口は意外とたくさんあります。
行政の支援
「お住まいの自治体名 塾代助成」「お住まいの自治体名 ひとり親 福祉」などで検索すると、お住まいの自治体で行われている支援が見つかります。
- 東京都「受験生チャレンジ支援貸付事業(受チャレ)」: 中3・高3生を対象に塾代や受験料を貸し付け、高校・大学などに入学した場合は返済が免除される制度
- 大阪市「習い事・塾代助成事業」: 小5~中3生を対象に塾や家庭教師、文化・スポーツ教室など学校外教育にかかる費用を月額1万円分を上限に助成する制度
民間団体の支援
「チャンス・フォー・チルドレン」では塾やスポーツ、文化活動などで利用できる「スタディクーポン」を提供しています。チャンス・フォー・チルドレンとは、教育格差をなくし、子どもの「やりたい!」を応援している団体です。
母子寡婦福祉団体協議会のイベント
各地域の「母子寡婦福祉団体協議会」では、ひとり親家庭向けの交流・体験イベントを企画しているところもあるようです。
広島市母子寡婦福祉連合会では、ミュージカル鑑賞、親子旅行、プロ野球観戦などに無料で参加できるイベントを企画しています。ちなみに、申し込みには入会が必要です。
子ども食堂・無料塾での体験活動
子ども食堂・無料塾では、食事や勉強を入り口に、季節の行事やワークショップ、キャンプなどの体験イベントを行っていることも多いです。
このほか、子どもの体験機会を確保するために、格安のサービスを利用するのもひとつの方法です。
以下の記事では、ほかの通信教育に比べて低価格なのに質が高い、東進オンライン学校小学部について紹介しています。参考にしてみてください。

【体験格差の解決策②】時間と情報の格差を埋めるネットワークを活用しよう
時間と情報の格差を埋めるには、周囲のサポートや企業の力を賢く頼ることが有効です。
時間の格差を埋める対策
仕事中の時間帯の体験を諦めないためには「ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)」の活用がおすすめです!
「育児の手助けをしてほしい人」と「育児の手助けができる人」をマッチングする会員組織。自治体が提供しており、低価格で利用できます。
ファミサポにお願いすれば親が付き添えない時間でも、子どもを地域のイベントや習い事へ安全に送り届けられます。
ひとり親家庭がファミサポを利用する場合、多くの自治体で利用料金の半額〜全額助成や、優先的なマッチング支援を受けられます。詳細は自治体によって異なるので、事前の確認をおすすめします。
まずは登録だけしておくと、いざというときのお守りになります!
時間の格差を埋める対策については、習い事送迎問題を取り上げた以下の記事でも紹介しています。

情報の格差を埋める対策
有益な情報を逃さないためにはSNSの活用がおすすめです!
SNSを活用する際は、X(旧Twitter)やInstagramで以下のようなキーワードをフォロー・検索してみてください。
- 体験格差
- ひとり親支援
- 自治体名 + 無料イベント
- 企業名 + 社会貢献 + 招待(プロ野球や劇団などが募集していることがあります)
【体験格差の解決策③】日常の延長で体験を最大化しよう
特別な場所に連れて行ったり、高い月謝を払ったりすることだけが、体験ではありません。少しの工夫で、子どもの好奇心を刺激する豊かな時間は十分に作り出せます。
図書館や児童館といった公共施設を活用するのもひとつの方法です。
単に本を借りたり遊んだりできるだけでなく、プログラミング教室や工作ワークショップ、本格的な映画の上映会などを開催していることもあるので、積極的にチェックしてみてください。
非日常をあえて家や近所で演出することも、子どもにとっては忘れられない体験になります。
ベランダでレジャーシートを広げてキャンプ飯を食べてみる、いつもの公園に植物図鑑を1冊持って出かけ、名前を調べながら散策してみる……
お金をかけずに少しの手間をかけるという工夫そのものが、子どもたちの創造力や探究心を育む最高のアクティビティに変わります!
子どもにとっての体験の価値は、「心がどれだけ動いたか」で決まります。もちろん、ここで紹介した案だけでは習い事や旅行の代わりにはなりませんが、家での工夫は、体験格差を今すぐ、自分たちの手で軽減できる手段として有効です。
日常で知る喜び・試行錯誤する難しさなどを体験している子は、与えられるのを待つのではなく、自らおもしろさを見つけ出す知恵を身につけていくことでしょう。
以下の記事では、我が家の体験談をまとめています。なにかのヒントになるとうれしいです!

お金をかけずに子どもの興味を広げるアイデアについては、以下の記事も参考にしてみてください!

ひとり親家庭の体験格差を乗り越えるために
ひとりで子育てをしていると、周りの家庭と比べてツライ気持ちになることもあるかもしれません。しかし、子どもにとって本当に価値があるのは、金額の大きさではなく、親と一緒にワクワクしながら工夫したプロセスです。
まずは身近な公共施設の予定をチェックしたり、自宅で非日常を演出したりすることから始めてみませんか?ちょっとした工夫で、お子さんの未来を大きく広げていきましょう!
