ひとり親家庭の子どもは学力が低い?低学年から始める、自走する子の育て方

ひとり親家庭だと、子どもの学力が下がってしまうのでは……
そんな不安を感じていませんか?
統計的に「ひとり親家庭の子どもは学力が低くなりやすい」と言われることがありますが、その原因は決して親の努力不足や愛情不足ではありません。
背景にあるのは、経済的な制約や時間の不足、環境の変化による精神的ストレスといった、個人ではコントロールしきれない問題です。

原因を知って環境を整えれば、子どもの学力はしっかり伸ばせます!
本記事は、小学校低学年のお子さまをお持ちのシングルマザーの方におすすめの内容となっています!
なぜ「ひとり親家庭の子どもは学力が低い」と言われるの?
「ひとり親家庭の子どもは学力が低い」と言われるのには、いくつもの要因が絡み合っています。

ここでは4つの要因とそれぞれの対策についてお伝えします!
経済的な要因
子どもの学力が低くなる要因のひとつが、世帯収入です。子どもに習い事をさせたり、家庭環境を整えたりするには、お金がかかります。
実際、世帯収入の違いによって、習い事や体験といった学校外教育の機会が制限されたり、タブレットや本といった知的好奇心を刺激するアイテムへのアクセスが難しくなったりする傾向は顕著です。
ひとり親家庭の平均年収は、児童のいる世帯全体の平均年収より軒並み低くなっています。
とくに母子家庭の平均年収は373 万円となっており、児童のいる世帯全体の平均を 100 として比較すると、 半分以下の45.9 となっています。

子どもの学力は個人の努力だけでなく、取り巻く経済環境に少なからず左右されてしまうのが実情です。
ひとり親家庭においては、いかに効率よく、無理のない範囲で学習環境を整えてあげられるかが重要です。
参考:厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査の結果を公表します」
時間的な要因
子どもの学力が低くなるのには、時間的な要因も関与しています。
ひとり親家庭の場合、親がひとりで仕事・家事・育児をこなすことになるため、子どもと接する物理的な時間がどうしても少なくなってしまいます。

とくに小学校低学年の時期は、親に宿題を見てもらったり音読を聞いてもらったりすることによる「家庭学習の習慣づけ」が大切。
時間がないとその伴走が難しくなってしまいます…💦
また、ことばの力は日常会話がおおいに影響します。
親との会話が少なくなったり事務的な会話ばかりになったりすると、語彙が増えず、国語力に影響が出ることもあります。
ひとり親家庭においてはいかに時間を確保するか、どこへ時間をかけるかが、子どもの学力を守る上での分岐点となります。
完璧な伴走を目指して親子で疲弊するよりも、生活の中に無理なく組み込める学習の仕組みづくりが必要です!
親の精神的な要因
離婚前後の混乱や生活への不安のストレスによって、家庭内の雰囲気が不安定になることもあるでしょう。
子どもは、安心できる環境ではじめて集中力を発揮するものです。親のストレスが伝わると、学習にエネルギーが回らなくなり、結果的に学力低下につながってしまいます。
離婚前後の混乱による学力への影響は、個人の努力でコントロールしきれない一時的な機能不全といえます。
この時期は、完璧な学習環境を目指すよりも、心のゆとりをいかに確保するかが、子どもの学力低下を防ぐのに有効です。
また環境だけでなく、学業に対する親の意識も子どもの学力に影響します。背景には、親自身の育ってきた環境や現在置かれた環境から得られる「教育情報」に格差がある、という構造的な課題があります。
親がすべてを教える必要はありません。サポートしてくれる人やツールとつながり、家庭外の知見を取り入れていくことが大切です。
子どもの精神的な要因
周囲から「ひとり親だから、学力が低くても仕方ないよね」という目で見られたり、親自身が忙しさから「うちは塾にも行かせてあげられないし、勉強まで見てあげられないから……」と諦めを感じたりすることで、子どものセルフイメージが下がってしまうリスクがあります。

実際の能力に関係なく、周囲の期待値が下がることで、子ども自身のパフォーマンスが低下してしまうのです……
(ちなみに、これは「ゴーレム効果」という心理学的現象です!)
大切なのは、「あなたには無限の可能性がある!」と信じる姿勢を見せ続けること!子どものセルフイメージを守り、可能性を広げる土台となります。
【学習面】今日からできる!学力アップの3つの工夫
ひとり親家庭が「子どもの学力が低くなりやすい環境」にあることは事実でしょう。
しかし、あらゆるケースで学力低下が見られるわけではありません。また、ひとり親家庭であっても子どもの学力を維持したり、高めたりすることはもちろん可能です。

ここからは今日からできる学力アップの工夫として、以下の3つを紹介します!

すぐにできるものを具体的にお伝えするので、取り入れてみてください!
ひとり親家庭で子どもの家庭学習にお悩みなら、以下の記事もおすすめです。家庭学習を仕組み化する方法や、家庭学習の悩みを解決するためのマインドセットについてお伝えしています。

学習意欲の土台作り|量より質のコミュニケーションを意識する
時間リソースが不足しがちなひとり親家庭において、子どもとのコミュニケーションでは量より質を意識するのが効果的です。
短時間でもよいので、子どもとしっかりと向き合う時間を作ることが、学習に向かう意欲の土台となります。
具体的には以下のような関わりが有効です。
- 結果よりもプロセスをほめる・認める:「100点だったね」より「毎日机に向かったね」が◎
- 読み聞かせをする:1日5分でもOK
- お手伝いをしてもらう
- 子どもの興味に関心を向ける
とくにお手伝いは、プロセスをほめる絶好のチャンスです。「お皿を並べてくれて助かったよ!」「こぼれないようにそっと運べたね!」などちょっとした声かけで、子どものセルフイメージを高められます。
忙しいとつい「〇〇しなさい!」という命令ばかりになりがちですが、ときには手を止めて、子どもが今夢中になっていることを一緒におもしろがってみるのもおすすめです!

「YouTubeばっかり見てないで!早く片付けなさい~!」という命令が多くなっていた私ですが、ある日子どもたちに「そんなにおもしろいの?どこがおもしろいの?」と聞いてみました。
すると一生懸命話し始めてくれて……「そんなポイントがおもしろいと感じるのね!」と新たな発見になりました!
最近は、時間があるときに子どもおすすめの動画を一緒に見て、おもしろさをわけてもらうのが楽しみになっています!
我が家ではYouTubeを入り口に、子どもの興味を知ることがよくあります。以下の記事では、YouTubeを子どもとのコミュニケーションのきっかけにしている、我が家の体験を紹介しています。

学習環境の整備|外部リソースを活用する
ひとり親家庭において、親がひとりで抱えすぎないことはとても重要です。

外部のリソースを頼ることは、手抜きではなく、子どもに良質な環境をプレゼントするという前向きな選択です!
後ろめたさを感じる人もいるかもしれませんが、活用することで精神的な負担を軽減できるので、積極的に活用してみてください。
外部リソースの例としては以下のようなことがあげられます。
- 公的な学習支援事業を探す:自治体やNPO団体が、ひとり親家庭を対象とした学習支援を行っているケースが多くあります。
- 無料塾や学習ボランティアを利用する: 大学生や地域のボランティアが、宿題や勉強を見てくれる場所があります。地域の福祉課などに問い合わせてみてください。
- 家事代行をお願いし、子どもと関わる時間を作る:親とたくさん関わりたい子どもの場合、親の時間を作り出すこともひとつの選択肢です。
外部リソースを上手に使い、頼れる先を増やしておくことは、親の心にゆとりを生み、子どもにとって一番の安心材料である「親の笑顔」を守ることにつながります。
公的な学習支援事業や学習ボランティアは、役所の窓口で相談したり、「○○市 ひとり親 学習 支援」などで検索したりすると見つかります。
お住まいのエリアでどんな支援が受けられるか、チェックしてみてくださいね!
子どもの学力を長期的に支えるためには、親御さんがひとりで頑張りすぎない環境を整えることが大切なのです。
具体的な外部リソースについては以下の記事でも紹介しています。お金のかからないものについて複数紹介しているので、参考にしてみてください。

学力アップの具体策|子どもの家庭学習を習慣化する
小学校低学年の時期において、学力の土台を作るもっとも確実な方法は、毎日机に向かうという行為を当たり前にすることです。
とはいえ、ひとり親家庭の場合、親がつきっきりで勉強を見てあげるのは難しいものです。親が見ていなくても子どもが自然に動ける仕組みを作れるかどうかが、子どもの学力に直結します。
具体的には以下のようなことからはじめるのがおすすめです!
- 学習を始めるハードルを極限まで下げる:「帰宅したらまずランドセルを置いて机に座る」「ドリルを開く」といった、1分で終わるような小さな動作から習慣化します。
- 勉強の内容ではなく行動をほめる・認める:「決まった時間、決まった場所に座れた」というプロセスをしっかりと認めてあげます。
- タブレット教材・学習アプリを活用する:自動で丸付けをしてくれたり、進捗を管理してくれたりする教材の活用もおすすめです。
低学年のうちに家庭学習を習慣化できると、将来的な親の負担がかなり軽減されます。最初は大変なことも多いですが、根気強く声かけを継続するのがポイントです!

娘・ぴいこは小1の終わり頃には自分で宿題に取りかかるなど、わりと早めに自走し始めました。
が、息子・なっぴーはかなり手こずりました……。今小3になり、ようやく少しは自分で動けるようになったかな?といった感じです。
個人差が大きいようなので、子どものペースに合わせて声かけを続けることが大切なのかなと思います!
以下の記事では、家庭学習を習慣化する方法についてお伝えしています。具体的な方法をくわしく知りたい方はぜひご覧ください。

【メンタル面】離婚前後にとくに重要!学力の土台を作る3つの方法
親が離婚すると子どもを取り巻く環境が大きく変わります。
環境の変化によって強い不安や緊張を感じると、記憶や学習を司る海馬や前頭葉の働きが鈍くなり、目の前の勉強に集中できなくなります。
離婚によって子どもの学力を落とさないために重要な心のケアを紹介します!

「大好きだよ♡」と伝え続ける
子どもは、親の不仲や離婚を「自分のせいかもしれない」と無意識に自分を責めてしまうことがあります。
そのため「離婚はお父さんとお母さんの問題であって、あなたのことは今まで通り大好きだよ」と、言葉で明確に伝え続けてあげてください。スキンシップも子どもの心の安定につながります!
親からの変わらぬ愛情を実感することで守られる自己肯定感は、学習に向かうための大切なエネルギー源となります。

私は以前から「大好きだよ」という言葉を積極的に口にしていたのですが、離婚前後はとくに意識的に伝えました。ちゃんと伝わってるといいな…🌿
日常のルーティンを崩さない
予測できない生活は子どもにとって大きなストレスになります。
離婚によって生活環境が大きく変わる時期だからこそ、子どもの心の安定を確保するために、できる限り「今までの日常」を守ることを意識しましょう。
- ごはんを一緒に食べる
- 寝る前に本を読む
- 週末はいつもの公園に行く
このような些細な習慣を継続するだけで、子どもは「いつもの毎日」に安心し、勉強を続ける心のゆとりを持つことができます。
親自身が心にゆとりをもつ
親にゆとりがない状態は、子どもにとっても大きな心理的負担となります。
行政のひとり親支援や家事代行、実家のサポートなど、頼れるものは積極的に頼りましょう。
親の心が少しでも軽くなれば、家庭の空気が柔らかくなり、子どもの集中力も自然と戻ってきます。
また、無理に完璧な親を目指さないことも大切です。

夕飯がレトルトや冷凍食品でも大丈夫!
親子で笑顔で「美味しいね」と言い合える心のゆとりを持つほうが、結果として子どもの学力にはプラスに働きます。
離婚直後は、子どもが勉強に集中できず、成績が一時的に下がることもあるかもしれません。
しかし、心の安全基地さえ守られていれば、生活が落ち着いたときに学力は取り戻せます。
まずはあなた自身の心と、お子さまの心を一番大切にしてください。その積み重ねが、結果としてお子さまの将来の可能性を一番大きく広げることにつながります!
ひとり親家庭の子どもの学力を維持・向上させるには心の安定がポイント!

ひとり親家庭の子どもの学力が低くなりやすいのは、環境や構造の問題であり、親だけの責任ではありません。
外部のリソースや行政の支援を頼ったり、短時間でも濃密に子どもと関わったりすることで、親子双方の心のゆとりを守りましょう。
安心感こそが学習の土台となり、結果として子どもの将来の可能性を最大限に広げることにつながります。まずは子どものよい行動を見つけることからはじめてみませんか?
